狭い国土を言い訳にしない。

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今日の日経一面の記事。

九州ほどの面積のオランダで、農産物輸出額は日本の30倍だと。
トマトの単位面積当たりの収穫量は3倍だとも。
だから日本も最新のITシステムと資材を駆使して、賢い農業革命を!と締めくくられています。
何だか違和感。
農業は、もっと根源的な産業ではないかと…。
LEDライトとコンピュータシステムで工場で育つ野菜、遠隔管理される酪農。
それが私達が向かう方向性なのだろうか?

確かに、人口増は止まらず、世界の人口は80億人に向かってひた走っている。そうなれば食料も足りなくなるだろう。だから、食料増産だ!IT化による効率化だ!GM作物だ!という構図はどうも作為的な気がしてならない。オランダのことを見習うのは、そういう点ではないと私は思います。古き良き文化を守っている点、景観を守ることへのコンセンサスが取れている点。どこまでも自転車で移動する点…。

北極圏で生肉からビタミンなども摂取する文化、お米を食べる文化、トウモロコシを主食にする文化、小麦でパンを作る文化…。どれも優劣があるわけじゃない。日本が古代から積み上げてきた歴史を振り返り、新しい文化を創造していく。それは決して他国の真似ではいけないはずだと思います。自然をコントロールできるという錯覚から早く抜け出ないと、本質的な豊かさからどんどん離れていくような気もしています。
人は自然の中で生かされている。