朝の随想

2014年4月~9月の半年にわたり、伝統あるNHK新潟放送局(ラジオ)の「朝の随想」に出演させていただきました。収録は、月に1回なのですが、前倒しに書けばいい1本1200文字程度の原稿が、締切3日前くらいになると重くのしかかり仕事も手につかないような時もありました。

ただ、自分の考えを言語化するというシンプルな作業の繰り返しは、今の自分の立ち位置を確認する意味でとてもいい機会となりました。終わってみると、一抹の寂しさはありますが、また呼んでいただけるように、精進したいと思っております。朝の忙しい時間に聞いていただいた全ての方に感謝申し上げます。

第17回「健体康心」(2014年7月放送)

 明日は二十四節季でいうところの大暑、一年で一番暑い時期とも言われています。水分ばかり摂って夏バテをおこしたりする時期でもありますが、私の健康法はズバリ農作業です。緑の中で生き物に囲まれ汗を流す、四季折々の自然に触れ心も […]

第16回「農業は生命を育む産業」(2014年7月放送)

 どんなに文明が発達しても、人は土から離れては生きられないと確信しています。  最近は、施設の中で土を使わない農業というものが珍しくなくなってきました。コンピュータ制御された最新のシステムによって半自動的に作られる作物・ […]

第15回「必要なのは脱成長」(2014年7月放送)

 周りのみんなが右を向くと、意味もなく左を向いてみたい。そんな願望にかられたことは無いでしょうか。  巷では、新潟市が国家戦略特区に指定されて、農業の6次産業化だとか、24時間稼働の植物工場だとか、ITを活用した大規模農 […]

第14回「奨学米プロジェクト」(2014年7月放送)

 大学生を金銭面からサポートする奨学金制度をヒントに、お金ではない形で学生を応援できないか、という発想で生まれた制度があります。それが奨学米プロジェクト。学生はコメオヤと言われる農家からお米を受け取り、そのかわりに学生は […]

第13回「生きることは食べること」(2014年6月放送)

 農家となって、1年目の夏。初めて自分で育てたとうもろこしを味わった時のことです。  畑から採ってきてすぐに蒸かしてアツアツのうちに食べた時のあの感激。実はプリプリと張りがあり、かぶりつくとジューシーで甘い。新鮮で旬をま […]

第12回「自然栽培との出会い」(2014年6月放送)

 「農業は草との闘いだな」これは農家になって1年目に痛烈に感じたことでした。我が家は、稲、柿、イチジク、大豆、トウモロコシなど色々な作物を育てています。稲のように春に耕して水を張るもの、大豆やトウモロコシのように耕すけれ […]

第11回「田んぼと生き物」(2014年6月放送)

 田んぼで稲を育てていることは、皆さんも景色を見てわかると思いますが、カエルやトンボが、田んぼで生まれ、育まれるということをご存知でしょうか。  「田んぼの学校」と称する授業で、生き物調査などをすると、オタマジャクシやヤ […]

第10回「豊かさとは何か」(2014年6月放送)

 豊かな暮らしを送りたい。これは誰もが共感する人生の目標ではないでしょうか。  皆さんは、どんな時に豊かだと感じていますか。私は沢山あるのですが、何も持たず、木漏れ日の差し込む森の中で鳥の声に耳を澄ましている時や子ども達 […]

第9回「里山と農業」(2014年5月放送)

 どんなに時代が進んでも、作物が人工的な光を浴びて、無人の工場で生産されるような味気ない時代が来ないことを祈り、行動していきます。  農業は、効率的にお金を稼ぐだけの作業になってしまったら、これ以上大変で効率の悪い仕事は […]