第19回「グローバリズムよりローカリズム」(2014年8月放送)

 皆さん新潟は好きですか?新潟県民なら誰でも「もちろん大好きですよ!」と答えてほしいところではありますが、残念ながらそうではない人もいると思います。私は、大学進学から10年間、東京都や神奈川県で暮らしておりました。学生時代は、とにかく東京に憧れて新潟から出たいという気持ちでしたので、新潟の良さなんか振り返る気持ちすらなかったのですが、県外に出てみて初めて、新潟の良さが身に染みてわかりました。

 言い出せばきりがないのですが、まず四季がはっきりしていて、海も山も近いので楽しみが無限大です。そして、とにかく食べ物が旨い。お米、日本酒はもちろんですが、魚も新鮮で美味しいし、枝豆・・ナスの消費量は日本一です。豊かな自然が美味しい作物を育み、豊かな人間を育てる。ん~新潟人は控えめで「しょしがり」な人が多いですが、たまには新潟の自慢をしてみるのも悪くないと思います。

 最近よく聞く言葉で、クローバリズムという言葉があります。何となくいい言葉のように使われていますが、意味をご存知でしょうか。

 グローバリズムとは、地球上をひとつの共同体とみなし、多国籍企業が国境を越えて世界中で経済活動をおしすすめるという考え方です。

 世界中どこに行っても同じようなお店や商品があるのは、どこか味気ない気がするのは私だけでしょうか。一部の多国籍企業が利益を独占し、本当は食べたくない食料しか供給されない世の中だけにはなって欲しくありません。

 ひるがえってローカリズム、これは地域主義のことで、地域資源を見直し、活用する。経済的豊かさを追い求めるのではなく、生活・文化の豊かさを重視し、地域の個性をどんどん発信していく。新潟がそんな街になったらいいなとつくづく思います。

 日本では少子高齢化、人口減少がこれからどんどん進むといわれています。とりわけ、新潟などの地方都市ではその傾向が顕著にでるとも言われています。今こそ、金太郎飴を切ったような街づくりではなく、新潟ならではのエネルギー、新潟ならではの食文化、新潟ならではの空気感を創り出すことが重要だと考えています。

 今は美味しい夏野菜の最盛期です。新潟の良さとは何なのか?枝豆とナス漬けを肴に日本酒でも飲みながら、仲間でワイワイ語り合ってみませんか。